こんにちは。第5回では、前回までに見つけた“自分の中の大事なもの”を、いかに現実の選択や行動へとつなげていくかについて掘り下げていきます。
AIがもたらす膨大な情報や“最適解”に囲まれた私たちは、外から与えられた答えをそのまま受け入れることに慣れてしまいやすい環境にいます。けれども本当の意味で「納得できる選択」には、他人の期待や一般的な成功法則ではなく、“自分の中から湧き上がってくる理由”が必要です。
現代人は日々多忙で、選択のたびに立ち止まり、自分の内面と対話する余裕を持ちにくいかもしれません。ですが、だからこそなおさら、自分の内側にある“本当の意味”を丁寧に見つめ、その意味に基づいて選択し、行動することが大切になってきます。それは、周囲に流されずに自分の人生を歩むための、静かで力強い指針になります。
そのとき、私たちを突き動かすのは、理屈ではなく“感情のうねり”や“心がざわつく感覚”、あるいは“ふと気になってしまう何か”といった、静かで確かな内面からのサインです。それらを丁寧に受け止め、「私は、なぜこれを選びたいのか?」「この選択は、私にとってどんな意味をもつのか?」と問いかけていくことで、私たちの内側に眠る“駆動力”が目を覚まし始めます。
DriftThinking™は、そうした内面からの推進力と向き合い、活かすためのプロセスです。 感情や感覚、思考に対して批判的な目を向けるのではなく、それぞれの現れをひとつの“大切なメッセージ”として受け止める。そこには「正しさ」にではなく、「意味」に寄り添う姿勢が求められます。
たとえば、「やりたいことがあるけれど怖い」「失敗が怖くて動けない」といった感情は、行動のブレーキであると同時に、そこに自分にとって“意味のある何か”があることを知らせるサインでもあります。その恐れに蓋をせず、「なぜ怖いのか」「何を守りたいのか」と自分に問いかけていくことで、その奥にある“本当の望み”が見えてくることもあります。
自分の中にある“意味”に気づき、それに沿って選ぶという行為は、自らの人生に対する「責任」と「信頼」を育てます。誰かの期待に応える人生ではなく、「私はこうありたい」という内なる声に沿って生きること。それは、内側から自然と行動したくなる“駆動力”を引き出し、軽やかな推進力へとつながっていくのです。
次回は、このようにして自分自身と深くつながったうえで、AIとどう共存していくのか。AIという外的な力と、私たち自身の内面とが穏やかに響き合う未来の可能性を探っていきます。
意味をもって選ぶということ。それは、外の「正しさ」に従うのではなく、内なる「納得」を灯しながら生きること。あなたの内面にある光は、すでに次の一歩を照らし始めているのかもしれません。