こんにちは。第4回では、これまで見てきた“感情や違和感”の気づきから一歩踏み込み、「自分の中にある“本当に大事なもの”」に光を当てていきます。
DriftThinking™では、外側の正解や期待に応えるためではなく、内側から湧き上がる「自分らしい納得」に基づいた人生を送ることを目指します。その鍵になるのが、私たち一人ひとりが心の奥深くに持っている“揺るぎない価値”への気づきです。
第3回で扱った「違和感」や「感情の揺れ」は、しばしばその価値観と現実との間にズレが生じたときに現れます。たとえば、「何気なく頼まれたことに対して強い抵抗を感じた」とき、そこには「自分を大切に扱ってほしい」「尊重されたい」という価値が横たわっていることがあるのです。
このように、内面に静かに耳を澄ませることで、自分の中にある「本当はこうありたい」「これだけは譲れない」という核のようなものが浮かび上がってきます。それは、言葉にしなければ気づけないほど曖昧で繊細なものでありながら、人生を推進する“内なる駆動力”の源泉でもあります。
DriftThinking™では、この“自分の中の大事なもの”を見出すプロセスとして、「名づけ」という方法を大切にしています。それは、気づいた感情や思考、身体の感覚に丁寧に言葉を与えるという行為です。
言葉にすることで、曖昧だった感覚が輪郭を持ち、私たちはそれを“自分自身のもの”として受け入れることができるようになります。そして、それは単なる自己分析にとどまらず、自分にとって本当に意味のある選択や行動への道を照らしてくれるのです。
このプロセスは、「何が正しいか」ではなく、「私はどう在りたいのか」「私は何に心を動かされるのか」という問いを育てるものです。
DriftThinking™の場では、このような問いと丁寧に向き合うために、安心して話せる場を整え、他者の声を聴きながら自分の声も聴くという、やわらかな実践が繰り返されます。すると、自分の内側にあった“光”に気づき、少しずつその光を拠りどころにしながら、日々を歩むようになるのです。
次回は、この“内なる価値”に気づいた後、どのようにして現実の行動や選択につなげていくのか、「意味をもって選ぶ」ことの力を掘り下げていきます。
自分の中の“光”に気づくこと。それは、他の誰かではなく「私自身の人生」を歩むための第一歩なのです。