「デザイン」と「内面探求」は、つながるのか?
「デザイン」と聞くと、何かを“つくる”こと、あるいは見た目を“整える”ことを思い浮かべる方も多いかもしれません。
一方で、DriftThinking™(ドリフトシンキング)は、何かを生み出すというよりも、「ただ自分の内側を見つめ、感じ取る」ことから始まる静かなプロセスです。
一見するとまったく異なる領域に見えるこのふたつ。
しかし実は、「自分自身を深く理解し、それを“かたち”として世界に表現していく」という点で、深く補い合う関係にあります。
このコラムでは、DriftThinking™とデザインがどうつながるのかを考えてみたいと思います。
DriftThinking™とは:「Being(あり方)」に気づくための思考術
私たちは日々、忙しさや社会的な役割に追われながら、「何をするか(Doing)」に偏った生活を送りがちです。
DriftThinking™は、そんな日常から一歩引き、自分の内側にある「感情」「感覚」「思考(価値観・習性)」に静かに気づくことから始まります。
この最初のステップ「気づく・感じる」では、以下の3つの内面要素に意識を向けていきます。
感情:
喜びや悲しみ、不安、苛立ちなど、瞬間ごとに湧き起こる心の反応。多層的に重なり合い、思考や感覚とも密接に絡み合っています。
感覚:
胸の締めつけ、肩の緊張、喉の詰まりなど、身体にあらわれる反応。普段は気づきにくいけれど、意識を向ければ驚くほど鮮明に感じ取れるものです。
思考(価値観・習性):
無意識に反応してしまう考え方や、自分なりの「こうあるべき」という信念。出来事そのものではなく、これらが感情を生み出す原因になっていることも少なくありません。
こうした内面の動きを評価せず、ただ「漂うように」観察することで、Being──つまり自分のあり方の深層に静かにアクセスしていきます。
デザインとは:「Being」を「かたち」にする営み
DriftThinking™を通じて見えてきた感情や思考のクセ。
それらを、ただ内面にとどめておくのではなく、言葉やイメージとして“外に出す”ことで、さらに理解が深まります。
ここで活躍するのが「デザイン」という考え方です。
デザインとは、プロの表現者だけのものではありません。自分の中にある想いや気づきを、誰かに伝わる「かたち」にするための行為すべてが、デザインと呼べるのです。
デザインの力:見えないものを「見える化」する
たとえば、以下のようなことが挙げられます。
・感情のゆらぎを、色や抽象的な図として描いてみる
・身体感覚を手がかりに、自分の大切にしている価値観を言葉にしてみる
・無意識に繰り返している思考パターンを図解して、他者と共有してみる
こうしたプロセスを通して、自分の中にある「Being」は、他者と分かち合える「Doing」へと変わっていきます。
自分らしさを「出力」していくということ
正解らしき行動があふれるこの社会で、本当に納得できる表現や動きは、自分の内側からしか生まれません。
DriftThinking™で育まれた気づきを、デザインという手法で“出力”していくこと。
それは、単なる見た目や形式ではなく、自分らしい行動や意思表現につながる大切なステップです。
まとめ:Beingを起点に、Doingをデザインする
DriftThinking™は、内なるBeing(あり方)に丁寧に目を向けるための思考法です。
デザインは、そのBeingから生まれた気づきや想いを、外の世界とつなげるための「かたち」に変える手段です。
この二つを組み合わせることで、
“私の中から生まれた行動”を、無理なく自然に、そして創造的に世界に届けていくことができるようになります。
自分の内側を静かに見つめ、そこから浮かび上がった「声」を、
自分の表現として“かたち”にし、世界とやさしくつながっていく──
そんな流れをつくるためにこそ、DriftThinking™とデザインは響き合うのです。