こんにちは。このシリーズの第1回では、「AIはこれから一気に進化していくとされている今、私たちは本当に心からの幸福を感じられるようになるのか?」という問いに向き合います。

生成AIの登場以来、私たちの生活は着実に変化し始めています。仕事の効率化、知識の習得、日常的な問いへの即座の回答など、AIは論理的に優れた支援を行うツールとして、その可能性を大きく広げつつあります。そして今後10年、20年でその進化はさらに加速し、私たちの意思決定や思考プロセスの多くを補助してくれる存在になるでしょう。

これはまさに、人類の営みにおける大きな転換点です。AIは膨大な情報を瞬時に処理し、最適解を導き出し、論理的な整合性のある提案を提供してくれるようになります。こうした進化は、私たちの行動の自由度を高め、意思決定の負荷を軽減してくれるものです。

しかし同時に、私たちの心にはこんな問いが静かに芽生えてきます。

「技術がどんなに進化しても、私は本当に満たされるのだろうか?」

この違和感は、「論理的に正しいこと」と「心から納得できること」が必ずしも一致しないという、私たちの“内なる感覚”から生じているのかもしれません。

AIは私たちの”Doing”(行動)を支えることにおいては非常に優秀ですが、”Being”(どう在りたいか)を深く理解したり、内面から生まれる納得感を育てることには関わることができません。

本シリーズでは、これから数回にわたり、「なぜAIだけでは満たされないのか?」という問題を丁寧に掘り下げていきます。その中で、私たちが無意識のうちに抱える価値観や習性、そして感情のメカニズムを紐解き、内面からの納得を得る方法について考えていきます。

まずはこの第1回で、「AIがますます進化していくと言われる中で、それでも私の心がなぜかざわつく」という違和感にそっと目を向けてみてください。

その静かな違和感の中にこそ、これからの時代の「本当の幸福」への入り口が、ひっそりと佇んでいるのかもしれません。

次回は、「最適化された人生に違和感を覚えるのはなぜ?」というテーマで、AIが提示する“正しさ”と、私たちの“納得感”のズレについて考えていきます。どうぞお楽しみに。

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